水
〜命を支える自然の恵み〜
『神の国 日本の食と霊性』を読んだことをきっかけに、日本人が昔から大切にしてきた「食」について書いています。
旬の食材、味噌、梅干しと続き、今回は**「水」**について考えてみたいと思います。
水はあまりにも身近にあるため、普段はそのありがたさを意識することが少ないかもしれません。
蛇口をひねれば水が出る。
喉が渇けば水を飲む。
毎日当たり前のように使っていますが、考えてみると、私たちは水なしでは生きていくことができません。
私たちの身体と水
私たちの身体の多くは水分でできています。
水は、体温の調節や栄養素・老廃物の運搬など、身体のさまざまな働きに関わっています。
私たちは汗や尿だけでなく、呼吸などからも日々水分を失っています。
そのため、食事や飲み物から水分を補うことが必要です。
特に年齢を重ねると、喉の渇きを感じにくくなることがあります。
「喉が渇いてから一度にたくさん飲む」のではなく、日頃から少しずつ水分を摂ることを意識したいですね。
※心臓や腎臓などの病気で水分量について指示を受けている方は、医師の指示を優先してください。
日本の食文化を支えてきた水
日本の食について考えてみると、さまざまなところに水が関わっています。
お米を育てる田んぼにも水が必要です。
ご飯を炊くときにも水を使います。
お味噌汁にも水。
お茶を淹れるときにも水。
豆腐や、味噌・醤油などの食品づくりにも、水は深く関わっています。
つまり、私たちが「日本の食」として親しんできたものの背景には、いつも水があったのですね。
一杯のお茶にも自然の恵みがある
温かい日本茶を飲んだとき、
「ほっとするなぁ」
と感じることはありませんか?
急須に茶葉を入れ、お湯を注ぎ、少し待つ。
そして香りを感じながら、ゆっくりいただく。
ほんの数分ですが、忙しい日常から少し離れ、自分の心を落ち着かせる時間にもなります。
水は、単に喉を潤すものだけではありません。
私たちの食文化や暮らし、そして心安らぐ時間にもつながっているのだと思います。
水を「味わって」飲んでいますか?
普段、水を飲むとき、私たちはほとんど無意識かもしれません。
そこで、ときには一杯の水をゆっくり飲んでみてはいかがでしょうか
コップを手に持つ。
一口含む。
温度を感じる。
喉を通っていく感覚に意識を向ける。
これは、とても簡単なマインドフルネスにもなります。
「今、私は水をいただいている」
ただそれだけに意識を向けてみる。
忙しく動き続けている心が、ほんの少し静かになるかもしれません。
当たり前にあるものこそ、ありがたい
水について考えていると、私は「当たり前」ということについて考えさせられます。
毎日、水が飲めること。
ご飯が食べられること。
温かいお味噌汁をいただけること。
家族や誰かと「おいしいね」と言えること。
当たり前だと思っているものほど、失って初めてそのありがたさに気づくことがあります。
だからこそ、今あるものに少し目を向けてみる。
それだけでも、日々の感じ方は変わってくるのではないでしょうか。
「いただきます」は食べ物だけではなく
これまでこのシリーズで、何度か「いただきます」という言葉について書いてきました。
私は、水にも同じ気持ちを持ってよいのではないかと思います。
雨が降り、山や森に水が蓄えられ、川となり、さまざまな過程を経て私たちの暮らしへ届けられる。
一杯の水の向こう側にも、大きな自然の循環があります。
「水があるのは当たり前」ではなく、
「今日も水をいただける。ありがたいな」
そんな気持ちを、ときどき思い出したいものです。
健康のために「何を食べればいいのだろう」と新しいものを探すこともあります。
けれど、その前に、私たちのすぐそばにある水やお米、味噌、旬の野菜などを、もう一度丁寧に見つめてみる。
そこにも、心と身体を大切にする暮らしのヒントがあるのではないでしょうか。
食べることは、身体をつくること。
食べることは、心を整えること。
そして、水をいただくことも、自然の恵みをいただくこと。
今日、一杯のお水やお茶を飲むときに、ほんの少しだけ手を止めて、その一杯を味わってみませんか?
いつもとは少し違った一杯になるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心と食のアドバイザー 万寿(マス)

