〜自分軸と他人軸の違い〜
前回は「人間関係でイライラするとき、心の中で何が起きている?」というテーマでお話ししました。
今回は、その人間関係とも深く関わる「自分軸と他人軸」について考えてみたいと思います。
皆さんは、こんな経験はありませんか?
「本当は断りたいけれど、嫌われたくないから引き受けてしまう」
「相手の機嫌が悪いと、自分が何か悪いことをしたのではないかと気になる」
「人からどう思われるかが気になって、自分の意見が言えない」
「自分のことより、いつも家族や周りの人を優先してしまう」
もし思い当たることがあっても、自分を責める必要はありません。
それは、これまで周囲の人を大切にしながら、一生懸命生きてこられたからかもしれません。
でも、いつも周りの人の気持ちを優先していると、自分自身の心が疲れてしまうことがあります。
自分軸とは?
自分軸とは、簡単にいうと、自分の気持ちや価値観を大切にしながら、自分で考えて選択することです。
例えば、友人から食事に誘われたとします。
でも、その日は疲れていて、家でゆっくり過ごしたいと思っています。
そんなとき、
「誘ってくれてありがとう。でも今日は少し疲れているので、また今度ご一緒させてね」
と、自分の気持ちを大切にして伝える。
これが自分軸で行動する一つの例です。
自分軸で生きるということは、決して自分勝手になることではありません。
相手を尊重しながら、自分の気持ちも大切にすることなのです。
他人軸とは?
一方、他人軸とは、自分の気持ちよりも、周囲の人の評価や期待を優先して判断してしまうことです。
先ほどの食事の誘いを例にすると、
「本当は疲れているけれど、断ったら嫌われるかもしれない」
「せっかく誘ってくれたのだから、行かなければ申し訳ない」
と思い、無理をして出かけてしまう。
そして帰宅した頃には、心も身体もぐったり。
そんな経験はありませんか?
もちろん、人に合わせることが必要な場面もあります。
ただ、いつも自分の気持ちを後回しにしていると、知らず知らずのうちにストレスが積み重なってしまうことがあります。
なぜ他人軸になってしまうのでしょう?
前々回のブログでは、「思い込みはどうやってできる?」というお話をしました。
私たちの考え方には、子どもの頃からの経験や、周囲の人との関わりが影響することがあります。
例えば、
「人に迷惑をかけてはいけない」
「我慢することが大切」
「人から嫌われてはいけない」
「自分のことより家族を優先しなければならない」
そんな言葉を繰り返し聞いて育った方もいらっしゃるかもしれません。
その中で、いつの間にか、
「自分の気持ちを優先するのはわがまま」
と思うようになることもあります。
特に、家族のため、子どものため、周囲の人のために長年頑張ってこられた方は、自分のことを後回しにする習慣が身についている場合もあります。
でも、これまで身につけてきた考え方は、これから少しずつ見直していくこともできるのです。
相手の機嫌は、あなたの責任でしょうか?
例えば、いつもより機嫌の悪そうな人がいたとします。
そんなとき、
「私、何か悪いことを言ったかしら?」
「嫌われてしまったのかしら?」
と不安になることはありませんか?
でも、相手が不機嫌な理由は、あなたとは関係のないことかもしれません。
仕事で疲れているのかもしれません。
体調が悪いのかもしれません。
何か心配事があるのかもしれません。
私たちは、相手の気持ちをすべて知ることはできません。
そして、相手の感情をすべて引き受ける必要もないのです。
相手の感情は相手のもの。自分の感情は自分のもの。
この違いを意識することも、自分軸を育てる大切な一歩です。
自分軸で生きるための3つの習慣
では、どうすれば自分軸を育てることができるのでしょうか?
日常生活の中でできる、小さな習慣をご紹介します。
① 自分の気持ちに問いかける
何かを決めるとき、
「人からどう思われるだろう?」
と考える前に、
「私は本当はどうしたいのだろう?」
と自分に聞いてみましょう。
最初は、なかなか答えが出ないかもしれません。
でも、自分の気持ちに耳を傾けることを繰り返すうちに、少しずつ自分の望みが見えてくることがあります。
② 小さなことから自分で選ぶ
例えば、
今日は何を食べたい?
どんな服を着たい?
休日はどう過ごしたい?
そんな日常の小さな選択から始めてみましょう。
「みんながそうしているから」ではなく、
「私はこれが好きだから」
という気持ちを大切にしてみるのです。
③ 断ることを悪いことだと思わない
人から頼まれたことを、すべて引き受ける必要はありません。
無理なときは、
「今回は難しいです」
「少し考えてからお返事しますね」
と伝えてもよいのです。
断ることは、相手を否定することではありません。
自分の時間や体調、気持ちを大切にするための選択でもあるのです。
自分軸とマインドフルネス
私は、ヨガや呼吸、瞑想を通して、自分自身の心や身体に意識を向けることの大切さを学んできました。
忙しい毎日の中では、周囲の出来事や人の言葉に気を取られ、自分の気持ちが分からなくなってしまうことがあります。
そんなときは、ほんの少し立ち止まってみましょう。
ゆっくり息を吐く。
肩の力を抜く。
今の自分の身体の感覚に気づく。
そして、
「私は今、何を感じているのだろう?」
と問いかけてみる。
自分の内側に意識を向ける時間は、自分軸を育てるきっかけにもなります。
これからの人生は、自分の気持ちも大切に
50代、60代、70代。
これまで家族や仕事、周囲の人のために頑張ってこられた方も多いのではないでしょうか。
もちろん、人を大切にすることは素晴らしいことです。
でも、これからは自分自身のことも、同じように大切にしてみませんか?
「私はどうしたい?」
「私は何が好き?」
「私はどんな毎日を過ごしたい?」
そんな問いかけを、自分にしてあげてほしいのです。
人に合わせることが悪いわけではありません。
大切なのは、自分の気持ちを無視してまで合わせ続けないことです。
自分を大切にすることは、人を大切にすることにもつながる
自分軸で生きるとは、周りの人の意見を聞かないことでも、自分の考えだけを押し通すことでもありません。
相手には相手の考え方があり、自分には自分の考え方があります。
お互いの違いを認めながら、自分の気持ちも大切にする。
そんな関係を築いていけたら素敵ですね。
誰かに認めてもらうためだけではなく、自分自身が納得できる人生を歩んでいく。
それが、自分軸で生きることなのではないでしょうか。
これからの人生を、もっと自分らしく、心地よく過ごすために。
今日から少しずつ、自分の心の声に耳を傾けてみませんか?
あなたの人生の主人公は、あなた自身なのですから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
心と食のアドバイザー 万寿(マス)

