〜『神の国 日本の食と霊性』を読んで〜

最近、森井啓二さんの『神の国 日本の食と霊性』という本を読みました。

私は長年、食育について学び、「何を食べるか」が身体だけではなく、心にも影響することをお伝えしてきました。

この本を読んで改めて感じたのは、日本には昔から、とても素晴らしい食の知恵が受け継がれてきたということです。

私たちは健康というと、つい「どんな栄養素を摂ればよいのか」「何を食べれば身体によいのか」と考えます。

けれども食事は、それだけではないのかもしれません。

食材を育ててくれた自然、作ってくださった人、そして命をいただくことへの感謝。

日本には「いただきます」「ごちそうさま」という、とても美しい言葉があります。

毎日の食事を丁寧にいただくことそのものが、心を整える時間になるのではないでしょうか。

旬のものをいただく

特に印象に残った一つが「旬の食材」です。

今は一年中、さまざまな野菜や果物を買うことができます。

とても便利になった一方で、昔の人は、その土地で、その季節に採れるものを自然に食べていました。

春には春のもの。夏には夏のもの。
秋には秋のもの。冬には冬のもの。

季節の移り変わりとともに食卓も変わっていく。

旬のものをいただくことは、単に栄養の問題だけではなく、自然のリズムの中で暮らすことでもあるのだと思います。

味噌や大豆を、もう一度見直してみる

そして、日本の食卓に昔からあったものといえば、味噌や大豆です。

味噌汁、豆腐、納豆、醤油など、大豆から作られる食品は私たちの身近なところにたくさんあります。

特に味噌や醤油などの発酵食品は、日本の気候や風土の中で長い年月をかけて受け継がれてきました。

昔ながらの和食を見ると、特別な健康食品を買わなくても、身近なところに先人たちの知恵がたくさん残されていることに気づかされます。

梅干しのある食卓

梅干しも、日本の食文化を代表する食品の一つです。

ご飯とお味噌汁、そして梅干し。

とても質素に見える食事ですが、昔の人たちは、自然の恵みを保存しながら上手に暮らしの中に取り入れてきました。

冷蔵庫もなかった時代に、発酵させたり、塩に漬けたり、乾燥させたりすることで食べ物を保存する。

そこには、自然と共に生きてきた日本人の知恵があります。

「水」を大切にする

もう一つ、改めて考えさせられたのが「水」です。

私たちの身体にとって水は欠かすことのできないものです。

ところが、食べ物については気をつけていても、毎日飲んでいる水については、あまり意識していない方もいらっしゃるかもしれません。

日本は昔から水に恵まれ、水田をつくり、お米を育て、豊かな食文化を築いてきました。

水はあまりにも身近にあるため、そのありがたさを忘れてしまいがちです。

一杯のお水をいただけることも、本当は当たり前ではないのですね。

日本茶をゆっくりいただく時間

そして、日本茶。

温かいお茶を入れて、ほっと一息つく。

それだけで心が少し落ち着くことがあります。

忙しい現代では、食事をしながらスマートフォンを見たり、何かをしながら急いで食べたりすることも増えました。

だからこそ、お茶を入れて、その香りや温かさを感じながらゆっくりいただく。

そんな何気ない時間も、大切にしたいと思います。

食べることは、自分を大切にすること

『神の国 日本の食と霊性』を読んで、私は「健康のために何を食べるか」だけではなく、「どのような心で食べるか」も大切なのではないかと改めて感じました。

旬のものをいただく。
昔ながらの味噌や大豆、梅干しなどを取り入れる。
水を大切にする。
日本茶をゆっくり味わう。
そして「いただきます」と感謝して食べる。

決して難しいことではありません。

新しい健康法を次々と探す前に、私たち日本人が昔から大切にしてきた食卓を、もう一度見直してみてもよいのではないでしょうか。

食べることは、身体をつくること。
そして同時に、心を整え、自分自身を大切にすることでもある。

私も食育に関わってきた一人として、日本の食文化の素晴らしさを、これから少しずつお伝えしていきたいと思います。

皆さんの食卓には、どんな「昔からの日本の食」がありますか?

今日の食事から、一つだけでも意識してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

心と食のアドバイザー 万寿(マス)