〜季節とともに食べる日本の知恵〜
前回、森井啓二さんの『神の国 日本の食と霊性』を読んで、日本人が昔から大切にしてきた「食」について書きました。
今回は、その中でも私が改めて大切だと感じた**「旬の食材をいただくこと」**について考えてみたいと思います。
「旬」とは自然からの贈りもの
今はスーパーに行けば、一年を通してさまざまな野菜や果物を手にすることができます。
とても便利な時代になりましたね。
でも、昔の人たちは、その土地で、その季節に採れるものをいただいて暮らしていました。
春には、山菜や春野菜(春キャベツ、えんどう豆、たけのこ)。
夏には、トマト、きゅうり、なす、スイカ。
秋には、さつまいも、里芋、きのこ、栗、柿。
冬には、大根、白菜、ねぎ、ミカン、リンゴ。
季節が変わると、食卓も変わる。
当たり前のようですが、そこには自然とともに暮らしてきた日本人の知恵があるように思います。
旬の食材は、おいしい
旬の食材の魅力は、何といっても「おいしい」ことです。
その食材が自然に育ちやすい時期に収穫されるため、味や香りが豊かになります。
また、野菜や果物の中には、旬の時期に特定の栄養成分が多くなるものもあります。旬の食材は、身体を最適な状態に調えてくれます。
健康のために難しく考えるより、
「今、一番おいしいものは何だろう?」
そんなふうに季節の食材を選ぶことから始めてもよいのではないでしょうか。
秋には秋の恵みを
秋は「実りの秋」といわれるように、おいしいものがたくさん出てくる季節です。
新米、さつまいも、里芋、きのこ、栗、柿、梨、ぶどう、秋鮭、さんまなど。
こうして並べてみるだけでも、豊かな季節ですね。
例えば、さつまいもやきのこ類は食物繊維を摂ることができます。
魚からは、良質なたんぱく質や脂質などを摂ることができます。
そして、新米のおいしい季節には、ご飯とお味噌汁、旬の野菜、魚といった昔ながらの和食もいいですね。
特別な健康食品を探さなくても、身近な日本の食卓には、身体を整えるためのヒントがたくさんあります。
食卓から季節を感じる
旬のものをいただくことには、栄養とは別の良さもあるように思います。
「今年も栗の季節になったね」
「新米がおいしいね」
「柿が出てきたから、もう秋ね」
食べ物を通して季節を感じることができます。
これは、忙しく過ぎていく毎日の中で、自然に目を向けるきっかけにもなります。
食事は、ただお腹を満たすだけのものではありません。
香りを感じる。
色を見る。
よく噛んで味わう。
季節を感じる。
こうして丁寧に食べることは、マインドフルネスにもつながっていくのではないでしょうか。
「いただきます」に込められたもの
そして、私が大切にしたいのが「いただきます」という言葉です。
米も、野菜も、魚も、私たちは自然の命をいただいて生きています。
さらに、育てる人、収穫する人、運ぶ人、料理する人など、多くの人のおかげで食卓に食べ物が並びます。
普段は当たり前に感じている一回の食事も、考えてみると決して当たり前ではありません。
旬の食材をいただくことは、
「今、この季節に自然からいただける恵みを味わうこと」
なのかもしれません。
昔ながらの知恵を、今の暮らしに
昔の食生活にすべて戻る必要はないと思います。
現代には現代の便利さがありますし、世界中の食材を楽しめることも豊かさの一つです。
そのうえで、ときどき
「今の旬は何だろう?」
と考えてみる。
スーパーへ行ったとき、いつも同じものを買うのではなく、季節の食材を一つ手に取ってみる。
それだけでも十分ではないでしょうか。
旬のものをおいしくいただき、季節を感じ、自然に感謝する。
そんな日本の食の知恵を、これからの暮らしにも残していきたいと思います。
食べることは、身体をつくること。
食べることは、心を整えること。
そして食べることは、自然とつながること。
今日の食卓に、秋の旬を一つ取り入れてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
心と食のアドバイザー 万寿(マス)

