肩・腰・股関節が痛いとき、動かさない方がいい? ―「適切に動く」という考え方

ヨガ教室をしていると、

「肩の痛みがよくなったと思ったら、また痛くなりました」

「股関節の痛みが出たり、引いたりします」

「腰が痛いので、動かさない方がいいでしょうか?」

というお話を聞くことがあります。

痛みがあると、「できるだけ動かさない方がいいのでは?」と思いますよね。

私自身も、痛いところがあると無理をしてはいけないと思います。

一方で、痛みがあるからといって、必要以上に体を動かさなくなることも、必ずしもよいとは限らないようです。

「痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ」という考え方

島田永和先生の著書
『痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ』
では、体の痛みと「動くこと」について、とても興味深い考え方が紹介されています。

痛みがあると、どうしてもその部分をかばって動かなくなりがちです。

しかし、動かない状態が長く続くと、筋力が低下したり、関節の動く範囲が狭くなったりして、さらに動きにくくなることがあります。

そこで大切なのが、

「痛いから、まったく動かない」ではなく、状態に合わせて適切に体を動かしていくこと。

もちろん、これは「痛くても我慢して動きましょう」という意味ではありません。

無理をせず、自分の体の状態を感じながら動くことが大切です。

ヨガも「頑張る」のではなく「体と対話する」

私はヨガをお伝えするときにも、

「人と比べないでくださいね」
「痛いところまで無理に伸ばさないでくださいね」
「今日の自分の体と相談しながら動きましょう」

ということを大切にしています。

ヨガは、ポーズをきれいに完成させることが目的ではありません。

呼吸をしながらゆっくり体を動かして、

「今日はここが硬いな」
「右と左で違うな」
「以前より少し動きやすくなったな」

そんなふうに自分の体に気づいていくことも、ヨガの大切な時間だと思っています。

痛みが引いたり、また出てきたりしても

肩、腰、股関節などの痛みは、一度楽になったからといって、その後ずっと同じ状態とは限りません。

日常生活での姿勢や活動量、体の使い方などによって、調子が変化することもあります。

ですから、

「また痛くなった。元に戻ってしまった」

と必要以上にがっかりするのではなく、

「今の私の体は、何を伝えているのかな?」

と、自分の体を見つめるきっかけにしてみるのもよいのではないでしょうか。

ただし、痛みを我慢してはいけません

ここは、とても大切なところです。

「動くことが大切」といっても、すべての痛みに運動が適しているわけではありません。

強い痛みがある、急に痛くなった、しびれや力の入りにくさがある、痛みが長く続くなどの場合には、自己判断で運動を続けず、医療機関で相談してください。

また、医師から運動について指示を受けている方は、その指示を優先してください。

ヨガでも、**「痛みを我慢して頑張る」のではなく、「気持ちよく動ける範囲で行う」**ことを大切にしたいですね。

いつまでも、自分の体で動けるように

年齢を重ねるほど、「動ける体」を保つことは、毎日の生活の質にもつながっていきます。

歩くこと、家事をすること、買い物に出かけること、旅行を楽しむこと。

どれも、自分の体を動かせるからこそできることです。

だからこそ、痛みを怖がって必要以上に体を動かさなくなるのではなく、自分の体の声を聞きながら、できる範囲で少しずつ動き続けることを大切にしていきたいと思います。

私のヨガ教室も、

「上手にポーズをする場所」ではなく、

これからも自分の足で歩き、自分らしく生活していくために、無理なく体を動かす場所

でありたいと思っています。

参考

島田永和 著
『痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ』

※この記事は一般的な健康情報とヨガについてお伝えするもので、診断や治療を目的としたものではありません。痛みが強い場合や症状が続く場合は、医師などの専門家にご相談ください。