心が落ち着かないときこそ、呼吸を見つめてみませんか?
~研究から知る「呼吸の力」と蜂の呼吸法~
私たちは、毎日何気なく呼吸をしています。
でも、緊張しているときや不安を感じているときには、呼吸が浅くなっていることがあります。
反対に、ゆっくりと息を吐くと、ふっと身体の力が抜けるように感じることはありませんか?
私は呼吸・瞑想法を学ぶ中で、改めて「呼吸は心と身体をつなぐ大切なもの」だと感じるようになりました。
今回は、そんな呼吸について、研究で報告されていることや、講義で学んだ「蜂の呼吸法」についてご紹介します。
呼吸法で不安が軽減されるという研究
スタンフォード大学医学部の研究では、呼吸法と不安や気分との関係について調べられています。
健康な成人を対象に、1日5分の呼吸法を1か月間行ったところ、呼吸法を行ったグループでは不安やネガティブな気分の軽減がみられました。
中でも、**息を吐く時間を長くする「サイクリック・サイイング(周期的なため息)」**という呼吸法では、ポジティブな気分の改善がより大きくみられ、安静時の呼吸数も低下したと報告されています。
「不安を感じたら、まず呼吸に意識を向けてみる」
これは、いつでもどこでもできる、とてもシンプルな方法です。
もちろん、呼吸法だけで不安症が治るということではありません。
けれど、心が落ち着かないときに、自分でできる「心を整える方法」を持っておくことは、日々の生活の中で役立つのではないでしょうか。
「蜂の呼吸法」ってご存知でしょうか?
私が呼吸・瞑想法の講義で学んだものの一つに、**蜂の呼吸法(ブラーマリー呼吸法)**があります。
名前の通り、蜂が飛ぶときの「ブーン」という羽音のような音を、息を吐きながら出す呼吸法です。
「蜂のようなハミングを使った呼吸法が、耳鳴りの不快感などに与える影響について研究されています」
実際に65歳以上の慢性的な耳鳴りのかた46人を対象に、蜂のハミングを使った呼吸法を4週間行なった研究があります。耳鳴りの大きさや不快感などに改善がみられています。
蜂の呼吸法をやってみましょう
蜂の呼吸法(ブラーマリー呼吸法)は、蜂の羽音のような「ンーーー」というハミング音を響かせながら行う呼吸法です。
一般的な方法の一つでは、親指などで耳をやさしくふさぎ、目を閉じて行います。
① 楽な姿勢で座ります。
② 鼻からゆっくり息を吸います。
③ 口を閉じたまま、息をゆっくり吐きながら
「ンーーーーーー」と、蜂が飛ぶような音を出します。
④ 耳をふさいでいる場合は、自分の声や振動が頭や顔のまわりに響く感覚を感じてみましょう。
無理に大きな音を出す必要はありません。
「心地よく響かせる」くらいで十分です。
最初は数回から、無理のない範囲で行ってみましょう。
※耳をふさぐと不快感がある場合は、耳をふさがずに行っても構いません。息苦しさや耳の痛み、めまいなどを感じた場合は中止してください。
耳をふさぐのは周りの音が聞こえない程度で耳に指を深く入れる必要はなく、耳の穴をふさぐくらいの浅さで十分です。
蜂の呼吸法は脳と自律神経をリラックスさせ、耳閉感や低音性の耳鳴りの憎悪を軽減する効果があるといわれますが、
5分間行って7割の方が耳鳴りに効果ありと改善を実感したという報告もあり、個人差があるようです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
少しでもお役に立てれば幸いです。
参考・情報源】
Stanford Medicine
「Cyclic sighing can help breathe away anxiety」(2023)
Ismail AMA, et al.
「Autonomic functions, tinnitus annoyance and loudness, and quality of life: Randomized-controlled responses to bee-humming respiratory training in tinnitus elderly」
Complementary Therapies in Clinical Practice, 2022.

